はじめに

こんにちは、ナックです。

福祉の仕事を探していると、

「高齢者介護と障害福祉って、何が違うんだろう?」

「自分にはどちらの分野が合っているんだろう?」

と迷うことがあります。

私自身、福祉のさまざまな現場で働くなかで、同じ「人の生活を支える仕事」でも、分野や事業所によって仕事内容や支援の考え方が大きく違うことを感じてきました。

高齢者介護と障害福祉には共通する部分がある一方で、利用する制度やサービス、支援する人の生活背景などには違いがあります。

この記事では、どちらが優れているか、どちらが楽かを決めるのではなく、それぞれの特徴を知り、自分がどんな支援に関わりたいのかを考えるための視点を紹介します。

※実際の仕事内容や職員配置、勤務形態などは、施設・事業所・サービス種別によって異なります。

高齢者介護と障害福祉は何が違う?

まず知っておきたいのは、「高齢者介護」「障害福祉」といっても、それぞれ非常に幅広いということです。

高齢者分野には、特別養護老人ホーム、デイサービス、訪問介護、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)などがあります。

障害福祉にも、生活介護、共同生活援助(グループホーム)、就労系サービス、居宅介護など、さまざまなサービスがあります。

そのため、「高齢者介護はこう」「障害福祉はこう」と一括りにすることはできません。

大まかな違いを整理すると、次のようになります。

比較する視点 高齢者介護 障害福祉
主に関係する制度 介護保険制度など 障害福祉制度など
支援を受ける人 主に高齢者 障害のある子ども・成人など
支援内容 身体介護、生活支援、認知症ケアなど 生活支援、身体介護、就労・社会参加の支援など
支援で大切にしたい視点 本人らしい生活、尊厳、できることを生かす 本人の意思や選択、地域生活、社会参加など
主な働く場所 入所施設、通所施設、訪問サービスなど 入所・通所施設、グループホーム、就労系事業所、訪問サービスなど

ただし、これはあくまで大まかな整理です。

本人の意思を尊重すること、できることを生かすこと、その人らしい生活を支えることは、どちらの分野でも大切です。

高齢者介護ではどんな支援をする?

高齢者介護では、加齢や病気などによって生活に支援が必要になった人の暮らしを支えます。

身体介護

食事、入浴、排泄、着替え、移動など、日常生活に必要な動作を支援します。

ただし、何でも職員が代わりに行えばいいわけではありません。

本人ができることや希望を大切にしながら、必要な部分を支えるという視点が重要です。

日常生活を支える

介護の仕事は、身体的な介助だけではありません。

会話をしたり、好きな活動を楽しめるようにしたり、安心して生活できる環境を整えたりすることも大切な支援です。

「その人がどのように暮らしたいのか」を考えながら、日々の生活を支えていきます。

認知症のある人への支援

認知症のある人への支援では、目の前の行動だけで判断しないことが大切です。

「どうしてこんな行動をするのだろう?」

ではなく、

「本人は今、何を感じているのだろう?」

と考えてみる。

本人の気持ちや生活歴、周囲の環境などにも目を向けながら、その人が安心できる支援を考えていきます。

多職種と連携する

高齢者介護は、介護職だけで完結する仕事ではありません。

看護職、ケアマネジャー、リハビリテーション専門職など、さまざまな職種と情報を共有しながら支援します。

それぞれの専門性を持ち寄りながら、一人の生活をチームで支えていきます。

障害福祉ではどんな支援をする?

障害福祉では、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害などのある人の暮らしを支援します。

ただし、必要とする支援は一人ひとり異なり、仕事内容もサービスによって大きく変わります。

日常生活を支える

食事や入浴、排泄などの身体介護が必要な人もいれば、買い物、家事、外出など生活面のサポートを必要とする人もいます。

そのため、「障害福祉=身体介護が少ない」とは限りません。

本人の状態や生活環境、利用しているサービスによって、必要な支援は大きく異なります。

本人の希望や選択を支える

「どこで暮らしたいのか」

「どんな仕事をしてみたいのか」

「休日をどう過ごしたいのか」

本人の希望や意思を確認しながら、必要な支援を一緒に考えていきます。

職員が考える「正しい生活」に近づけることではなく、本人がどんな暮らしを送りたいのかを考えることが大切です。

就労や社会参加を支える

障害福祉には、就労に関する支援を行うサービスもあります。

働くための準備をしたり、仕事を続けるための方法を一緒に考えたりすることがあります。

また、仕事だけでなく、外出や余暇活動、地域とのつながりなど、生活全体を支える視点も重要です。

チームで支援を考える

障害福祉でも、一人の職員だけで支援方法を決めるわけではありません。

本人を中心に、家族、相談支援専門員、医療機関、行政、事業所の職員などが連携しながら支援を考えていきます。

一人の生活をさまざまな立場から支えるという点は、高齢者介護とも共通しています。

高齢者介護と障害福祉、どちらが働きやすい?

「高齢者介護と障害福祉では、どちらが働きやすいの?」

気になる人も多いと思います。

ただ、分野だけで働きやすさを判断するのは難しいです。

同じ高齢者介護でも、特別養護老人ホームとデイサービスでは仕事内容や勤務形態が違います。

同じ障害福祉でも、グループホームと就労系事業所では仕事内容が大きく異なります。

働きやすさを考えるなら、分野だけではなく、

  • 夜勤の有無
  • 職員配置
  • 教育・研修体制
  • 身体介護の内容
  • 支援する人数
  • 職場の人間関係
  • 給与や休日
  • 自分がやりたい支援との相性

なども確認する必要があります。

求人を見るときには「高齢者か障害者か」だけで判断せず、どんなサービスで、どんな人を、どんな体制で支援している職場なのかまで見てみることをおすすめします。

自分に合った福祉の仕事を考える3つの視点

1.どんな支援に興味があるか

まずは、自分がどんな支援に興味を持っているのかを考えてみます。

身体介護を深く学びたい。

認知症ケアに関心がある。

障害のある人の地域生活を支えたい。

就労支援に携わりたい。

「どちらが働きやすそうか」だけでなく、自分がどんな支援をしてみたいのかを考えることが、仕事選びのヒントになります。

2.どんな関わり方をしたいか

利用者の日常生活に深く関わりたいのか。

相談援助に関わりたいのか。

就労や社会参加を支えたいのか。

同じ福祉の仕事でも、職種やサービスによって人との関わり方は大きく違います。

自分がどんな距離感で人を支えたいのかを考えてみることも大切です。

3.実際の職場を見る

可能であれば、求人情報だけではなく、職場見学などで実際の雰囲気を確認することも大切です。

職員が利用者にどのように声をかけているか。

職員同士で情報共有ができているか。

分からないことを質問できそうな環境か。

仕事内容だけでなく、そこで働く人や職場の雰囲気を見ることも、自分に合った職場を探すヒントになります。

高齢者介護と障害福祉、両方を経験することにも意味がある

私は、福祉のキャリアを一つの分野だけに限定して考えなくてもいいと思っています。

異なる分野を経験すると、

「前の現場では当たり前だと思っていたけれど、ここでは違うんだ」

と気づくことがあります。

反対に、別の分野で学んだ考え方が、今の支援に生きることもあります。

高齢者介護で身につけた経験が障害福祉で役立つこともあれば、障害福祉で学んだ本人主体の視点が、高齢者支援を考えるヒントになることもあります。

経験する分野が変わることで、支援を見る視点が増えていく。

これは、福祉の仕事のおもしろさの一つだと思います。

まとめ|違いを知ることは、支援の視点を増やすこと

高齢者介護と障害福祉には、利用する制度やサービス、仕事内容などに違いがあります。

一方で、

本人の生活を支えること。

本人の意思を大切にすること。

その人らしい暮らしを一緒に考えること。

こうした部分には共通するものがあります。

だからこそ、「高齢者介護と障害福祉のどちらが働きやすいか」だけで決める必要はありません。

自分はどんな人を支えたいのか。

どんな支援に興味があるのか。

どんな環境なら長く働けそうなのか。

いろいろな現場を知りながら、自分なりの答えを見つけていけばいいと思います。

知ることで、支援の視点が広がる。

NACK CARE WORKSでは、これからも福祉のさまざまな現場や制度について「学ぶ」ことで、支援を見る視点を増やしていきます。