特別養護老人ホームでの経歴
特別養護老人ホームのユニット型ショートステイで1年3ヶ月、入所でユニットリーダーを3年6ヶ月勤めていました。
ユニット型とは?
ユニット型は福祉大国のスウェーデンで生まれた方式で、2002年から日本でも制度化されました。おおよそ10名程度の少人数をグループに分けて介護サービスを提供します。ユニット型は完全な個室で利用者のプライバシーを確保し、家に近い環境で日常生活が過ごせるよう設計されています。
働こうと思った理由は?
入職した法人で2年目に特別養護老人ホームが新しくオープンするという話を聞き、いろいろな経験をしたいと思ったことと、介護福祉士を取得していたので異動を希望しました。
特別養護老人ホームってどんなところ?
特別養護老人ホームは、介護を常時必要とし在宅での生活が困難な高齢者に対して、生活全般の介護サービスを提供する施設です。
どんな人が利用するの?
- 65歳以上で要介護3以上の高齢者
- 40~64歳で特定疾病が認められた要介護3以上の人
- 特例によって入居が認められた要介護1~2の人
- 家族や同居者から虐待が疑われる場合
- 家族による支援が難しい場合
- 精神障害や知的障害、認知症などで日常生活や意思疎通が困難な場合
仕事内容は?
- 身体介護
- 食事介助
- 利用者の健康管理・身体機能の維持
- 家族との連絡
- 敬老会や夏祭りの行事の準備、ユニットレク、委員会、担当業務
1日の流れ・勤務時間
タイムスケジュール
- 7:00 起床介助、朝食準備(食器等)
- 7:30 朝食、配膳、服薬、食事介助、下膳
- 8:00 歯磨き、トイレ誘導
- 8:30 入浴準備、バイタル測定、清掃
- 9:00 入浴、リネン交換、居室掃除、臥床、排泄介助
- 10:00 おやつ・水分補給、トイレ誘導、余暇時間
- 11:00 離床(おやつ、水分補給)
- 11:30 昼食、配膳、服薬、食事介助、下膳
- 12:30 歯磨き、トイレ誘導
- 13:00 余暇時間、臥床
- 13:30 排泄介助
- 14:00 活動(コンサートや喫茶店、手芸等)、余暇時間、入浴
- 15:00 おやつ・水分補給、トイレ誘導、余暇時間
- 16:00 排泄介助、離床(おやつ、水分補給)
- 17:30 夕食、配膳、服薬、食事介助、下膳
- 18:30 歯磨き、トイレ誘導、就寝介助
- 19:00 排泄介助
- 20:00 余暇時間、服薬、巡視
- 21:00 トイレ誘導、消灯、巡視
- 22:00~6:00 1時間に一回巡視、24時間シートにそった介助(排泄介助、起床介助等)、コール対応、消毒、事務仕事
勤務時間
- 日勤/8:30~17:30
- 早番/7:00~16:00
- 遅番/13:00~22:00
- 夜勤/22:00~7:00
仕事はきつかった?
障害者グループホーム(GH)との違いは、不規則勤務でも身体の負担が全然違うので、体力がつくまでは本当に大変でした。特に早番が3連勤で続いたり、早番で残業があるときは過酷でした。特に夏場の入浴介助は体力を消耗します。介護業務も不安でしたが3ヶ月で一通りの業務を行えるようになりました。
乗り越えたポイント
- マイペースで業務を行うこと:新人の時は手際が悪く業務が終わらないことが多く、速さ=仕事ができると勘違いしていました。しかし、速さよりも段取りをしっかりして余裕を持って終わることが大切だと痛感しました。
- 自分のペースを把握すること:介護の仕事は長距離走によく似ています。自分のペースを把握し、他人のペースに巻き込まれないで無理なく走り切ることが重要です。
職場環境が悪化した時の対応
- 自分のペースを保つこと:人手不足や残業が続くと職場の雰囲気が悪化します。その際、自分のペースを保つことができないと、身体や精神を崩し、長く働くことが難しくなります。
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夜勤について
個人的に最後まで慣れなかったのは8時間夜勤です。勤務時間が22時~7時で、明けが休みになります。夜勤回数が4回になると丸一日休みが5日しかなく、休んだ気がしませんでした。「遅夜明早」の勤務は特に過酷でした。
夜勤対策
- 夜勤を連続して行う:「夜夜夜明公」にすると生活リズムが整うので身体の負担が減りました。
仕事をして楽しかったこと
介護の仕事は多くの人との出会いがあり、人の最後の人生の時間に立ち会えるのでとても勉強になります。私は、自分の人生を考えたり、親や自分が将来特別養護老人ホームに入りたいと思える施設にしたいという気持ちが強く、そこにやりがいを感じていました。業務的にこなすのではなく、人生の最後をサポートする仕事として、今この瞬間の時間を利用者とどう過ごすかを考えることが、この仕事の楽しさだと感じています。
以上が、特別養護老人ホーム(ユニット型)での仕事についての私の経験と考えです。新人職員の方々も、ぜひ参考にしていただき、より良い介護を提供できるよう頑張ってください。