はじめに
高齢化が進む日本において、介護福祉士の役割は年々大きくなっています。しかし、介護福祉士という資格が誕生したのは たった30年前 というのをご存知でしょうか?
国家資格としては比較的歴史が浅いですが、その間に大きな変革を遂げてきました。
本記事では、介護福祉士の歴史を振り返りながら、日本の介護の未来について考えていきます。
介護福祉士の誕生|なぜ国家資格になったのか?
1980年代の日本|高齢化の波が迫る
日本では長らく「家族が介護をするのが当たり前」という時代が続いていました。しかし、高齢者の人口が増え、核家族化が進むにつれて、家庭だけでの介護が困難になっていきました。
その背景には、以下のような社会の変化がありました。
✅ 1970年(昭和45年):高齢化率7%を超え、「高齢化社会」に突入
✅ 1985年(昭和60年):高齢化率が10.3%に
✅ 1987年(昭和62年):「社会福祉士及び介護福祉士法」制定 → 介護福祉士の誕生
✅ 1989年(平成元年):第1回介護福祉士国家試験が実施され、初めての介護福祉士が誕生
介護の専門職が国家資格として認められたことは、「介護は誰にでもできる仕事」ではなく、専門性が必要な職業である という意識改革につながりました。
介護福祉士の成長と介護制度の変革
1990年代|介護保険制度への布石
介護福祉士が誕生した当時、日本の介護制度はまだ未成熟でした。しかし、高齢者の増加に伴い、国は介護を公的に支える仕組み作りを進めていきます。
特に大きな転機となったのが、1994年(平成6年)の「新ゴールドプラン」策定 です。
このプランでは、「在宅介護の充実」を目的とし、施設介護だけでなく、訪問介護の整備が進められました。
また、同年日本介護福祉士会が設立 され、介護福祉士の職能団体としての基盤が築かれました。
2000年|介護保険制度の導入で介護の形が激変
2000年(平成12年)、「介護保険制度」 が施行されました。
これにより、「措置制度(行政が入所を決める仕組み)」から、「契約制度(利用者が選べる仕組み)」へと変わり、介護サービスの自由度が大きく向上しました。
また、この制度により、介護職の専門性がさらに求められるようになり、介護福祉士の役割が重要視されるようになりました。
2007年|介護福祉士の役割が拡大
2007年(平成19年)には、「社会福祉士及び介護福祉士法」が改正されました。
この改正では、介護福祉士の業務範囲が見直され、以下のような点が強調されました。
✅ 介護福祉士は 「単なる介助者」ではなく、「生活全体を支える専門職」
✅ 医療的ケア(喀痰吸引・経管栄養) の実施が可能に
✅ 研修制度の整備 により、キャリアアップの道が開かれる
この頃から、介護福祉士は「生活を支援する総合職」としての役割を担うようになりました。
2011年|東日本大震災と介護福祉士の社会的役割
2011年(平成23年)の東日本大震災では、多くの介護施設が被災し、高齢者支援の必要性が再認識されました。
日本介護福祉士会は、被災地に救援ボランティアを派遣し、災害時の福祉支援の在り方を模索しました。
この経験を通じて、「介護福祉士は地域を支える重要な存在である」 という認識が広まりました。
2020年|コロナ禍と介護福祉士の奮闘
2020年(令和2年)、新型コロナウイルスの感染拡大により、介護現場は大きな試練に直面しました。
✅ 高齢者施設でのクラスター発生
✅ 面会制限による利用者の孤立
✅ 感染対策の徹底による業務負担の増加
この困難な状況の中でも、介護福祉士たちは最前線で利用者の生活を守り続けました。
「介護は社会に不可欠な仕事である」 ということが、改めて認識された時期でした。
介護福祉士の未来|これからの課題と展望
介護福祉士の役割は、これからも大きく変化していきます。
特に、以下の3つのポイントが今後の重要な課題となります。
① デジタル技術の活用
- 介護記録システムの導入
- 見守りセンサーやロボット介護の活用
- AIを活用した業務効率化
② 医療的ケアの拡充
- 介護福祉士による 喀痰吸引や経管栄養 の実施範囲拡大
- 医療と介護の連携強化
③ 人材確保と働き方改革
- 介護職の待遇改善(給与・労働環境)
- 介護福祉士のキャリアアップ制度の整備
- 外国人介護士の受け入れと教育
まとめ|介護福祉士は未来を支える職業
30年前に誕生した介護福祉士という職業は、時代とともに進化し続けています。
もはや、介護福祉士なくしては、日本の高齢者福祉は成り立ちません。
これからの時代、介護福祉士には 「技術力」 だけでなく、「人を支える力」 が求められます。
介護福祉士として働く人々が誇りを持てるような社会を、私たちも一緒に作っていきたいですね。
あなたは介護福祉士についてどう思いますか?
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一緒に、未来の介護について考えていきましょう!